台湾の美しい⾃然が⽣んだ記憶を呼び起こす懐かしい歌声!
イリー・カオルー3rdアルバム『Longing』
アルバムに収録されるのは8曲のオリジナルソング。楽曲ごとに多様なストーリーや世界観をみせる。それぞれの曲は「記憶」を遡り人生における心の曲折をたどる「旅」でもある。
NT$660 – NT$800
台湾の美しい⾃然が⽣んだ記憶を呼び起こす懐かしい歌声!
イリー・カオルー3rdアルバム『Longing』
アルバムに収録されるのは8曲のオリジナルソング。楽曲ごとに多様なストーリーや世界観をみせる。それぞれの曲は「記憶」を遡り人生における心の曲折をたどる「旅」でもある。
(原題:《尋找你》あなたをさがして)
ぼんやりとした後ろ姿が
記憶のなか ゆっくりと失われていく
わたしは時間に寄り添い あなたをさがす
ふり返らないあなたを〜
アルバムに収録されるのは8曲のオリジナルソング。
楽曲ごとに多様なストーリーや世界観をみせる。
それぞれの曲は「記憶」を遡り
人生における心の曲折をたどる「旅」でもある。
|収録曲|
音楽配信サイト
https://www.soundscape.net/a/15331
戦争だったあの頃。
私の叔父さんは、海に憧れて島を飛び出した。
叔父さんの乗った輸送船は日本海軍に編入され、
太平洋に沈んだ。
17歳のあなた今、
珊瑚と寝る。
書いた手紙は、まだ出せていない。あの燃え盛るような太陽のした、あなたはわたしを連れて海へ入り、手を引いて珊瑚と海藻、魚たちの群れの溢れんばかりの色彩を、教えてくれた。海のなかは殆ど音がなく、ただ自分の呼吸と心音が聞こえるばかり。書いた手紙を出せないでいるのは、怖いからだ。わたしの頭から離れないあの輝きが、わたしの一方的な幻想ってだけではないか、と。
海面に浮かび上がる一本の銀白色した道路は、月と海岸とをつないで、路上にいる旅人を過去へ未来へと連れていく。
海の上、小さな船に座るトルコ・ブルーのワンピースを着た女の子の、軽く波を撫ぜる手がひらひらと見え隠れする。かつての悲しい傷や落ち込んだことも、忘れたことも、みんな過去へと流れていった。
海へと漕ぎ出す彼女はいつも祝福と希望を全身にまとい、月光の下で新しい旅にでる。
自分の運命の秘密を知り、新たな道を切り拓こうと努力するけれど、やぱりどうしようもなくて、指の間をすりぬけていく無力さに、拒むこともできない。
朝日のなか、女たちは砂浜に立つ。やわらかな光を浴びた顔は、間もなく始まる航海への期待に充ち満ちている。女たちの推した船は海へ浮かび、帆をあげる。縄をしっかりと握り、穏やかに舵をとって、自信にあふれ未知の世界に向かってゆく(勇敢に未知の世界へ漕ぎだす歌を書きたいと、イリ―がアミ族の神話『女人島』をアレンジしたもの。アミ族の囃子言葉で歌われる)。
RUN!走れ!鉄の檻を越えて、Sallyは手足の力を振り絞った。全身に汗をかき、ジャングルに向かって走った。Sally逃走のニュースは世界を駆け巡る。しかし数日後、Sallyは黙って、みずから檻の中へと戻っていった。Sallyがこの数日どんなふうに過ごしていたかを知る者はない。だけれど、Sallyの戻ってきた理由については、心のなかでみんな何となくわかってる。
海の神は美しいティヤマカンに恋をして、海辺を散歩しているティヤマカンを連れ去った。この時より、太陽の光の中に、月の光の下に波のなかにきらめく輝きはすべて、ティヤマカンの一番愛する首飾りであるという。
まぼろしの粉末のなか、人生は歪んだ幻影となって親しげにMayawに話しかける。
Mayaw、元気かい?
|音楽制作チーム|
イリー・カオルーとプロデューサーの陳冠宇(チェン・グァンユー)による、音楽の小説化という初の試み。
日本時代を生きた一人の台湾人青年の切なさ、青春の衝動と甘酸っぱさの詰まった恋の記憶、アミ族に伝承される神話――収録曲それぞれに包み込まれた物語が、聴くひとをイリ―の音楽世界へといざなう。
1. 本にはさまれた一通の手紙
2. 女人島
3. 17歳のあなた
日本語訳:栖来ひかり SUMIKI Hikari
文筆家,道草者。 京都市立芸術大学美術学部卒、2006年より台湾在住。 台湾に暮らす日々、旅のごとく新鮮なまなざしで、失われていく風景や忘れられた記憶を見つめ、掘り起こし、重層的な台湾の魅力をつたえる。 著書に『台湾と山口をつなぐ旅』(西日本出版社,2018)、『時をかける台湾Y字路~記憶のワンダーランドへようこそ』(図書出版ヘウレーカ,2019)、挿絵やイラストも手掛ける。